肥料を買うときのこつをお話しします。窒素、リン酸、カリの基本的養分について参考になればと思います。
肥料の袋の○-○-○はチッソ(N)、リン酸(P)、カリ(K)の含有率です。10-10-12ならば、チッソが10%、リン酸が10%、カリが12%含まれていることになります。
チッソはさらに、硝酸態窒素、アンモニア態窒素、尿素、有機体窒素の含有率が書いてあるのが普通です。植物が吸収できる窒素は硝酸態窒素とアンモニア態窒素だけです。
■硝酸態窒素とアンモニア態窒素の違いは、硝酸態窒素はマイナスイオンで土とくっつきません。土とくっつかないと、雨などで流れてしまいます。流れでないように正式には硝化抑制剤入り化学肥料といい、AM、ST、ジシアン、ASU、ATC尿素などの表記がある、硝化抑制剤入り化学肥料硝酸態窒素にならない肥料もあります。
■これらの他に化学的に徐々に溶け出す肥料(徐々に植物が吸収できる肥料=尿素はアンモニアに変化して植物に吸収されるが、化学的にアンモニアになるスピードを遅くしてある肥料加工尿素肥料)や物理的に徐々に溶け出す肥料(徐々に植物が吸収できる肥料=被覆、ロング、LPなどの言葉が表記してある肥料のこと。コーティング肥料ともいい、カプセル状の膜の中に肥料が入れてあり、徐々に溶け出す肥料被覆肥料)があります。
■リン酸は水に溶けるもの水溶性、クエン酸アンモニウムアルカリ溶液に溶けるもの可溶性、2%クエン酸液に溶けるものく溶性があり、順に溶けやすさを表している。生育期間が長い作物を作る場合には可溶性リン酸やく溶性リン酸が多い肥料を選ぶと良いでしょう。注意点としてリン酸は土と接触すると変化してしまいます。これを防ぐには酸性を矯正(土の酸性度のこと。植物の生育は多くの場合pH5~6の弱酸性が適正であるが、日本の土壌は4~5の場合が多いpHを高くする)したり、堆肥を多めに施用すると良いでしょう。
■カリはケイサンカリ以外は水溶性と考えて良いです。つまりほとんどのカリは水溶性で、長持ちしません。かといってやりすぎないよう注意します。やりすぎると肥料要素の間には、互いに植物への吸収を妨げあう作用のこと拮抗(きっこう)作用で、植物は石灰や苦土の吸収が悪くなります。
■有機肥料の特徴として①肥効が長い、②水に溶けにくく、地下水などを汚染しにくい、③作物にやさしい(長年化学肥料だけで栽培すると収穫量が減る報告もある)、など良い点が多いです。肥料袋に「有機入り」とか「有機肥料」と書かれている肥料は有機物が入っているが、上記のアンモニア態窒素や硝酸態窒素あるいはく溶性リン酸などと書いてあればその%分は確実に無機肥料(有機ではない)なので、「有機肥料」と書かれていても、有機分100%ではない場合が多いので注意しましょう。また、良質の有機肥料であれば「骨粉」「魚カス」「乾血」「油かす」などが書かれている場合が多いですよ。
